ダ ル メ シ ア ン の 毛 色 と 聴 覚 障 害

 1. ダルダル雑学〜毛色の成り立ち(遺伝子の影響)  2. 先天性聴覚障害〜毛色との関連・繁殖について
 3. 繁殖者の責任〜考えて行かねばならない事  4. 聴覚障害を持つ犬のトレーニングについて


3. 繁殖者の責任〜考えて行かねばならない事
 ダルメシアンに限らず、犬を飼っている多くの人が愛犬の仔犬を見たいという衝動に駆られるのではないでしょうか。
 しかしここに述べてきた聴覚障害=耳が聞こえないというのは遺伝性のものであり、ダルメシアンをダルメシアンたらしめる毛色を作る遺伝子が関係しているものです。つまり、なかなか排除しがたい特質だということを必ず考えて頂きたいのです。
 ダルメシアンは一般的に、他と比べて多産な犬種です。一腹に10頭前後生まれるのではないでしょうか。その中に聴覚障害を持って生まれた仔犬がいた時に繁殖者としてどうしたらよいのでしょうか。もちろん生まれないかもしれない、しかし生まれることもある、もしかしたら2頭以上が障害を持つことも有り得るかもしれないということを忘れないで欲しいのです。
 前段でBAEPによる検査が生後6週齢から行なえると書きましたが、裏を返せば、つまり6週齢位を過ぎなければ聞こえているかどうかはわからないのです。誰かに仔犬を譲った後で障害があることがわかったらどうしますか?あるいは譲り受けた仔犬の耳が聞こえなかったらどうしますか?
 最初にも書きましたが、犬にとって耳が聞こえないことそれ自体が不幸なことだとは思いません。特に先天性のものであれば、後天性に徐々に聞こえなくなっていく場合よりは当の犬は不自由を感じていないのかもしれません(もちろん推測ですが…)。しかし、オーナーにその障害を理解して貰えず、耳が聞こえないなりの教育をして貰えず、そのことでオーナーとコミュニケーションが充分に出来ずに居たら、それこそ犬もオーナーも不幸なのではないかと思います。耳が聞こえないためにオーナーのコマンドが聞けず『バカ犬』呼ばわりされたり、無駄吠えを覚えてしまったり(吠える事自体が犬にとっては楽しい事になるうえ、自分がどれほどうるさく吠えているか分からないのですから!)というトラブルも多いようです。
 繁殖者は、聴覚障害を持つ仔犬が出来得る限り生まれないようなブリーディングをすべく、細心の注意を払って欲しいです。そして、細心の注意を払ってさえ聴覚障害を持つ仔犬が生まれるかもしれないということを心しておいて下さい。更に、生まれた仔犬の観察を怠らずに聴覚障害の兆候を見逃さないようにして、譲る際には相手にダルメシアンの聴覚障害についても正しく伝えてあげて下さい。
譲渡後に障害があることがわかった場合でも(そういうケースが多いようです)、常に繁殖者の責任という観点からその仔犬の健全な育成に協力してあげて下さい。

ダルメシアンで繁殖を考えている方全てに問います。あなたのダルメシアンは両耳ともきちんと聞こえていますか?
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